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第37回みちのく会 山形大会レポ(6)
オークション後。酒夜の(標本)品定め。(2011年2月26日夜遅く)
オークション終了。
これから参加者たちは,いよいよアカデミックとノン-アカデミックの狭間へ転落していく。「酒と虫とよく分からない何だか」。もとよりわたしには最後までつきあうエネルギーはない。
銘米「つや米」を落札した戦後買い出し人のμさんが標本箱を披露している。彼の標本の丁寧さは定評のあるところ。
蛾箱。きれいに展翅・展脚されている。一緒に見ていた人がクロウスタビガについて「黒いなあ。いいなあ」という。μさんは1頭贈呈(昆虫は人間を媒介に死後にも分布域を拡大する)。太っ腹である。
北海道のものも黒いのだけど,黄色い部分が幅広いのだという。
08年10月7日にわたしが苫小牧で撮ったクロウスタビガの画像。
hokkaidoensis亜種かどうかは不明確だが,なるほど外縁は黄色が勝っている。
オオミズアオの澄んだ薄緑はしばしば人々の目にするところだけれども,対照的にクロウスタビガは晩秋の薄闇の色である。多くの人にぜひ見て欲しい蛾なのだが,発生期間はごく短い。
その他の昆虫。
脚や触角の整形が鮮やか。指で引っ張るのだという。すごいなあ。ハチの胴体についても縮まないよう色々な工夫をするそうである。
ダニまできれいに展脚されている。
こちらは脱脂綿の上で箱入りを待っているタカハシトゲゾウムシ。
疲れてきた。もうすぐ日付が変わる。もういいや。部屋へと撤退。同室のOさんが布団を敷いてくれていた。
【(7)へ続く】