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第37回みちのく会 山形大会レポ(5)
虫たちは死に,そして売られていく。(2011年2月26日夜)
オークション会場は幹事部屋。ということは幹事は眠らぬ覚悟ということである。大部屋までいかない。中部屋。
標本たちが売られるのを待つ。
こうやって「虫」が文字通りの血肉になっていくらしい。わたしには無理。
以下,メモが判読できる範囲で紹介。
オナガヤママユ。2000円→3000円落札。
カラスアゲハのトカラエーンシス亜種。現在は採集禁止とのこと。2000円落札。「この会は,あれだから,チョウはどうしても安くて」とは競り人(会長)の評。
イザベラミズアオ@スペイン。500円→1000円落札。昆虫販売のサイトを見ると3300円である(2011/3/5現在)。
なんだかどれも妙に安いのだが,要するに商売ではなく愛好家相互の交換会(交歓会)だと考えればいい。
ヒョウモンモドキ。1500円落札。保護指定になるらしい。指定になると標本の扱いも厄介になって研究しにくくなるという。
エゾヨツメ亜科。500円→1300円落札。
カリギュラ・アンナ(?。あちらの虫はなあ)。1100円落札。
「じゃあ,ここらで日本酒」の掛け声。( ゚Д゚)ハァ?。
「十四代」。手に入りにくい酒とのこと。8000円落札。
この後,帽子が売られる。何でもいいらしい。いざとなれば体を売ったり,魂を売ったりしかねない。
虫に戻る。
九州の蛾40頭詰め合わせ。5000円落札。「箱だけで4千円するよ。本当に貧乏人ばかりだな」との競り人(会長)評。
オサムシ・カミキリは定番。
ジャコウカミキリ。500円→1500円で競り人自ら落札。「こんなもの買ってどうするの」の声に,「外国の奴のヒトリガと交換するんだ」の弁。オサムシやカミキリは通貨であるらしい。確かに貨幣としての条件(交換価値だけで使用価値がないこと)はだいたい満たしていると言えなくもない。
オナガ・シナのギフチョウ。どちらも中国のギフチョウである。1500円→2500円。
「これはヒメクチバスズメの♀が珍しい」。
500円→1000円。
接写。
ここら辺で夜10時を回る。
沈没する泥酔者たちが数名。「MothProg」のがいすとさんは,テーブルに一升瓶を4つ並べてその前でTwitterをしている。競り人が「南国土佐を後にして」を歌い出す。
アミメヒトリ@ボルネオ。200円→600円。
農家のかぶとえびさんから山形銘米「つや姫」。わたしの心が動く。敗戦直後ならともかく,リュックに米を詰めて汽車を乗り継いで帰苫するのはしんどいと思ったので踏みとどまる。
未展翅の三角紙詰め合わせが続々と出てくる。どんなブツが入っているのかよく分からないので,福袋と変わりない。スマトラ,フィンランドものから杉博士流出ものまで。落札価格は色々。
会場「だからFamily(科)ぐらいは何さー」。
競り人(ハトロン紙を見て)「うーーん,ヤガ!」。範囲が広すぎるなあ。
モンヘビトンボとオオイクビカマキリモドキ。1000円。
スキバドクガ他。600円。
ナマリキシタバ4頭その他セット。これは結構良いもので4000円落札。
やっとのことで,すべての虫たちや帽子や米がめいめいの買い手の所へ落ち着いた。オークション終了。朝まで続いたらどうしようかと思っていたので本当に良かった。
【(6)へ続く】