第38回みちのく会 秋田大会レポ(6)
「話題提供」。後半戦〜いろいろ。(12/2/26,朝)
さて,大興奮と欣喜雀躍のうちに「話題提供」は後半戦へ。
一部の人々はその超自我が蛾に侵食されつつも,それでもやっぱり帰りの飛行機の時間は気になるのであって,リミットは11時なのである。
渋いところ。「ハガタウスキヨトウの幼虫記載とヤガ科ボーラー幼虫の簡易識別法」。わたしの蛾力では手に負えない連中である。ちなみに「ボーラー」というのは「穿孔性」。
- 従来,ハガタウスキヨトウとキスジウスキヨトウとは同属(Archanara)とされていたが,報告者が1989年にヨシの茎から蛹を発見。ハガタの蛹は下向き,キスジのそれは上向きであって,同属なのはおかしいと考えていた。
- 2005年,交尾器の比較によって, Archanara 属は「Lenisa」・「Arcanara」・「Capsula」の3属に分割。ハガタは Arcanara,キスジは Capsula と,別属になった。
- 日本にはLenisa が分布しないので,蛹の向きで区別できる。A.は下向き(尾端の刺毛がフックになっていて引っかかる),C.は上向きである。
ここからは前日の「一人一話」の積み残し。
クロモンチビヒメシャク。
本州で2例目。半人工的な自然公園で採集されており,人が手を入れているところを好むのかもしれない
。
キュウシュウヒメシャク。
説明はメモできていない。
オイワケヒメシャク。
伊豆諸島亜種に似る。
タナカヒメシャク。
まだ♂が採れていない。
Idaea の新種。
♂♀がそろった。
ヒメシャクやらキヨトウやら,「画像を前に図鑑を抱えて悪夢にうなされる」「鬼のような」蛾が続いた。そういう話がまだ続く。
田んぼの横でシーツを干しているようにしか見えないが,ライトトラップとはこんなものである。地道な活動の継続。
@与那国島。
@高知。
@西表島。
@宮崎。
南方からの迷蛾らしい。東南アジアでは水牛などの涙を吸うのだが,この類には「涙に依存しているもの」と「しばしば涙に来るもの」と「たまに涙に訪れるもの」とがあるという。
@鳥取。
切ったら交尾器が異なっていたというもの。
ホカイドのわたしにはあまり(全然)関係ないな。
山形の農家の人からの報告。「オオタバコガという種名は誤解を招く。スイカカジリムシに変更すべきである」というのが持論である。(面白いから賛成@yyzz2)
商品価値がこうやって落ちていく。
未熟な果実に潜入して青い部分をかじるとのこと。熟すると皮が固くなって穴を開けられない。
同定会議が始まる。「これはやっぱりヨトウガっぽいね」「こっちはハスモンヨトウかな」etc.。
あまり可愛くないとのこと。
夜間採集の事前許可が必要だの,担当責任者が付いていないとダメだとか苦労話のあれこれ。
小学生相手の研修での「ヒメカマキリ」については,わたしのカメラのブレがひどかったので割愛。カマキリについては馴染みがないのでこんなもの。
さてさてタイムオーバー。
【(7)へ続く】