yyzz2;虫画像 虫よもやま蛾の学名シャクガ科ナミシャク亜科

シャクガ科 ナミシャク亜科
Eupithecia属 (t〜z)

(えうぴてきあ)

【命名】 Curtis, 1825

【タイプ種】 Phalaena absinthiata

【意味】 [ギ]eu-(良い,美しい); pithêkos(こびと,猿); -ia(接尾辞)。

 原記載文 には「The beautiful Pug」とあることから,パグ犬と結びつけた解釈も可能だが,ここでは Emmet に従って「dwarf(こびと)」とする(ESM, p. 173)。エメットの主張については,拙ブログ「17-04-09」記事を参照されたい。

【和名】 ハネナガカバナミシャク
【学名】 Eupithecia takao

(えうぴてーきあ たかお)

【命名】 Inoue, 1954

【意味】 [地名]高尾山に由来。タイプの採集地である。

【和名】 マダラカバスジナミシャク
【学名】 Eupithecia tantilloides

(えうぴてーきあ たんてぃるろいーでーす)

【命名】 Inoue, 1958

【意味】 [種名]E. tantillaria(日本未産。「ごく小さな」); [ラ]-oides(〜に似たもの)。「tantillaria に似たもの」。

 原記載(Inoue, 1958, Tinea 4(2): 250)によれば,「tantillaria の日本における異所対応種と思われる」とされる。

イイジマカバナミシャク Eupithecia thalictrata

【和名】 イイジマカバナミシャク
【学名】 Eupithecia thalictrata

(えうぴてーきあ たりくとらーた)

【命名】 Püngeler, 1902

【意味】 [植物]Thalictrum(キンポウゲ科カラマツソウ(属)); -atus(接尾辞)。食草に由来。

 日本の亜種は,E. t. ijimai。北海道東部の昆虫研究家である飯島一雄に献じられたもの。

 図版は,Püngeler, 1902, Dt. ent. Z. Iris 15, taf. 6(Thephroclystis)。

シロテンカバナミシャク Eupithecia tripunctaria

【和名】 シロテンカバナミシャク
【学名】 Eupithecia tripunctaria

(えうぴてーきあ とりぷんくたーりあ)

【命名】 Herrich-Schäffer, 1855

【意味】 [ラ]tri-(3つの); punctum(小点); -aria(接尾辞)。「点が3つある」。

 原記載によれば,前翅に2つ,後翅に1つの白い紋があることから。

 しかし,上図でもそうであるように白点には変異がかなりあり,多くのシノニムを生み出している。

 図版は,Dietze, 1910, Biologie der Eupithecien, taf. 72, f. 287 (E. albipunctata)。

アルプスカバナミシャク Eupithecia veratraria

【和名】 アルプスカバナミシャク
【学名】 Eupithecia veratraria

(えうぴてーくあ うぇーらーたらーりあ)

【命名】 Herrich-Schäffer, 1848

【意味】 [植物]veratrum(バイケイソウ。山地にはえるユリ科の多年草); -arius(接尾辞)。食草に由来。

 日本の亜種は,E. v. perpaupera。おそらく,「per(非常に); E. paupera 種(「貧しい」)」。

 図版は,Dietze, 1910, Biologie der Eupithecien, taf. 71, f. 228

アザミカバナミシャク Eupithecia virgaureata

【和名】 アザミカバナミシャク
【学名】 Eupithecia virgaureata

(えうぴてーきあ うぃるがうれあーた)

【命名】 Doubleday, 1861

【意味】 [植物]Solidago virgaurea(アキノキリンソウ)。食草に由来。

 ‘virgaureatus’自体では「金の枝」の意。

 日本の亜種は,E. v. invisa。「嫌われている」。Butler の命名であるからこんな相場である。

 図版は,Butler, 1879, Ill. Typ. Het. Coll. Brit. Mus. 3: 51, pl. 53 (E. invisa)。

クロバネカバナミシャク Eupithecia zibellinata

【和名】 クロバネカバナミシャク
【学名】 Eupithecia zibellinata

(えうぴてーきあ じべるりなーた)

【命名】 Christoph, 1881

【意味】 [ラ]zibellina(クロテン(黒貂)を示すイタリア語由来の動物名。リンネがクロテンの学名 Martes zibellina に採用している); -atus(接尾辞)。「黒点」ではない。

 原記載には説明なし。翅の色および採集地(沿海州)からの連想か。

 図版は,Dietze, 1910, Biologie der Eupithecien, taf. 72, f. 239

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