北海道の蛾の学名

 

「北海道の蛾の学名」 はじめに

 本コンテンツは,苫小牧を中心とした蛾の学名について,その学名の意味を可能な限り解読していこうという試みである。標本作りでもない,生態観察でもない,ましてDNA解析でもない,虫たちへの後衛からの人文系アプローチといえよう。

 知識はより多様な方がより良いと思う。学名を乾いた記号にしてしまうのでなく,眼前の蛾たちに一層の陰影やより深い表情を与える魔法の呪文(名付けというのは実際そのようなものではないのか!)としての姿を明らかにできればこれ以上の幸いはない。

 

マクロ総合INDEX

(クリックで各INDEXへジャンプします。リンク下線のないものは工事中)

 カレハガ科 Lasiocampidae
 オビガ科 Eupterotidae
 カイコガ科 Bombycidae
 ヤママユガ科 Saturniidae
 イボタガ科 Brahmaeidae
 スズメガ科 Sphingidae
 イカリモンガ科 Callidulidae
 アゲハモドキガ科 Epicopeiidae
 カギバガ科 Drepanidae
 ツバメガ科 Uraniidae
 シャクガ科 Geometridae
カバシャク亜科 Archiearinae (1属1種)
エダシャク亜科 Ennominae (112属193種)
ホシシャク亜科 Orthostixinae (1属1種)
フトシャク亜科 Oenochrominae (道未産)
フユシャク亜科 Alsophilinae (2属8種)
ホソシャク亜科 Desmobathrinae (道未産)
アオシャク亜科 Geometrinae (19属38種)
ヒメシャク亜科 Sterrhinae
ナミシャク亜科 Larentiinae (77属224種)(作業中)
 シャチホコガ科 Notodontidae (44属71種)
 ドクガ科 Lymantriidae
 ヒトリガ科 Arctiidae
 コブガ科 Nolidae
 ケンモンガ科 Pantheidae
 ヤガ科 Noctuidae

※取り上げる蛾のリスト・学名については,

 北海道大学苫小牧研究林「苫小牧研究林で採集されたガ・チョウのリスト」(リンク切れ),堀繁久・櫻井正俊『昆虫図鑑 北海道の蝶と蛾』,北海道出版社,2015,および,「【みんなで作る日本産蛾類図鑑V2】」・神保宇嗣「List-MJ 日本産蛾類総目録 [version 2]」によっている。

 

最も主要な辞典・参考文献と略称

 

 *Lewis and Short,A Latin Dictionary;Oxford,1879

 *水谷智洋編,改訂版 羅和辞典;研究社,2012

 *Liddell & Scott,Greek-English Lexicon;Oxford,1996

 *古川晴風編,ギリシャ語辞典;大学書房,1989(略:FGJ)

 *平嶋義宏,生物学名辞典;東京大学出版会,2007

 *平嶋義宏,新版 蝶の学名;九州大学出版会,1999

 *A. M. Emmet,The Scientific Names of British Lepidoptera;Harley Books,1991(略:ESN)

 *E. C. Jaeger,A Source-Book of Biologocal Names and Terms,1955(略:JSB)

 *井上寛他,日本産蛾類大図鑑;講談社 1982(略:『大図鑑』)

 *岸田泰則編,日本産蛾類標準図鑑 I〜IV,学研教育出版,2011-2013(略『標準図鑑』)

 

 ※その他,多くの本やネット上の文献・情報を参考にさせていただいた。

 

学名の発音について

 

 学名に親しむ一助になればと,発音の一例を平かなで書き添えた。

 ラテン語である学名の発音については統一されたものがなく,アルファベットを用いている国ではそれぞれその母語式の発音が行われているという。日本においてはローマ字読みが基準となっているが,これは古典的な発音とは一致せず,読み・カナ表記は混乱のうちにあると言える。

 当HPでは,現状で最も妥当であろうカナ表記の試案として「学名ラテン語の発音とカナ表記のガイドライン」を示した。参照していただきたい。

 

解釈についての言い訳など

 

 学名の解釈・命名意図については,命名者が明らかにしている場合を除いては,すべて推測でしかない。「おそらく」「だろう」が頻出するのはそういう事情である。結局分からないものも少なからずある。

 しばしば学名は,その昆虫の特徴とは無関係な古典的人名・地名や,アナグラムや無意味綴りまである。

 日本の和名なら華が全然ない(ノД`)代わりに意図だけはそれなりに明確なのだが,全く発想が異なることには驚かされる。

 

 無知や勘違いに基づく誤謬が多々あることだろうと思う。

 有り体に言えば,本稿は一つの投石でしかない。一人が石を握り,おぼつかないなりに前に向けて投げてみることで,後に続くより優れた者がより正確なより長い射程で投じ得ることができるかもしれない。

 平嶋氏の一連の学名本の刊行が行われている現在において,虫好きのアマチュアが学名にも親しむ大きな機運が訪れていると考えたい。

 

お願い

 

 このように,本コンテンツは全く不完全なものである。誤りや,適切有益な情報・知識があればぜひともご教示いただきたく思います。

 メールアドレスは,【yyzz2[あっとまーく]goo.mail.ne.jp】です。

 

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