スズメガ科 スズメガ亜科
Sphinx属
(すふぃんくす)
【命名】Linnaeus, 1758
【タイプ種】Sphinx ligustri, Linnaeus, 1758
【原記載】Systema naturae per regna tria naturae 1: 489
【意味】[ギ神]スピンクス(ギリシア神話に現れる人頭,ライオンの胴体,有翼の怪物)。例えば,「スフィンクス - Wikipedia」参照。
原記載に記述なし。一般的な解釈として,幼虫が頭部を持ち上げて威嚇する様子をスピンクスの姿に見立てたものとされる。
【和名】クロスズメ
【学名】Sphinx caliginea
(すふぃんくす かーりーぎねあ)
【命名】(Butler, 1877)
【原記載】The Annals and magazine of natural history (4) 20: 393 (Hyloicus)
【意味】[ラ]caligineus(暗い)。
原記載「H. pinastri〔日本未産〕に似るが,暗く煙った灰色の色合いにおいて異なる」。
画像は,Butler, 1877, Illustrations of typical specimens of Lepidoptera Heterocera in the collection of the British Museum 2: pl. 19, fig. 4 (Hyloicus) から。
【和名】コエビガラスズメ
【学名】Sphinx constricta
(すふぃんくす こんすとりくた)
【命名】Butler, 1885
【原記載】Cistula entomologica 3: 113
【意味】[ラ]constrictus(縮約された,制限された)。
原記載「ヨーロッパのS. lingustriに似るが,明らかにずっと小さい」。
【和名】オビグロスズメ
【学名】Sphinx crassistriga
(すふぃんくす くらすしすとりが)
【命名】(Rothschild & Jordan, 1903)
【原記載】Novitates zoologicae 9 suppl. 1: 144 (Hyloicus)
【意味】[ラ]crassus(厚い,太い); striga((畑などの)畝,干し草の列)。「太い畝」。
あちこちに黒い筋のある蛾なので,原記載のどの箇所に対応するか判断できない。ともあれ体あるいは翅にある黒筋に由来すると考えられる。
北海道の亜種は,S. c. aino Kishida, 1990。
画像は,松村松年, 1921, Shin Nihon senchu zukai(新日本千蟲圖解) 4: pl. 56, fig. 3 から。
【和名】エゾコエビガラスズメ
【学名】Sphinx ligustri
(すふぃんくす りぐすとり)
【命名】Linnaeus, 1758
【原記載】[ラ]ligustrum(イボタノキ)。「イボタノキの」。
【意味】Systema naturae per regna tria naturae 1: 490
食草に由来する。
日本の亜種は,S. l. amurensis Oberthür, 1886。「アムール産の」。
画像は,Esper, 1806, Die Schmetterlinge in Abbildungen nach der Natur 2: pl. 42, fig. 1 (S. spiraeae)
【和名】マツクロスズメ
【学名】Sphinx morio
(すふぃんくす もーりおー)
【命名】(Rothschild & Jordan, 1903)
【原記載】Novitates zoologicae 9 suppl. 1: 147 (Hyloicus pinastri morio)
【意味】[ラ]morio(愚か者)。
おそらく(Hyloicus pinastriと比較しての?)命名者が受けた印象から。
北海道の亜種は,S. m. inouei (Owada & Kogi, 1993)。おそらく昆虫学者井上寛への献名。
画像は,Rothschild & Jordan, 1903, Novitates zoologicae 9 suppl. 2: pl. 13, fig. 9 (Hyloicus pinastri morio) から。
210227
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