yyzz2; top蛾の学名シャチホコガ科ツマアカシャチホコ亜科

シャチホコガ科 ツマアカシャチホコ亜科
Clostera属

(くろーすてーら)

【命名】Samouelle, 1819

【タイプ種】Clostera curtula Linnaeus, 1758

【原記載】Entomologists useful Compendium: 247

【意味】[ギ]klôstêr 紡錘(つむ)。

 Emmetは「腹部の姿から」(ESN,p.188)と解釈している。

 しかし,この類のシャチホコガは,"Spinner"(紡績工)と称されており,変態時に糸を紡ぐ蛾を指す。カイコガが代表だが,silkwormよりも広い概念。このことからClostera(紡錘)という命名は「紡績工」からの連想に由来するのではないか。

 命名者のSamouelleは甲殻類の分類で有名であるが,なかなかいわくのある人物。拙ブログ記事参照。

ニセツマアカシャチホコ Clostera albosigma

【和名】ニセツマアカシャチホコ
【学名】Clostera albosigma

(くろーすてーら あるぼしぐま) 

【命名】Fitch, 1856

【原記載】First and second report on the noxious, beneficial and other insects, of the state of New York: 274

【意味】 [ラ] albos(白い); sigma (シグマ,Σ。アルファベットのS)。「白いS」。

 原記載「「その〔=外横線の〕白い末端はほとんどS字になっていて,このS字が翅上で最も目立つ模様である」。

 日本の亜種は,C. a. curtuloides Erschoff, 1870。「(タイプ種である)C. curtulaに似たもの」。

ツマアカシャチホコ Clostera anachoreta

【和名】ツマアカシャチホコ
【学名】Clostera anachoreta

(くろーすてーら あなこーれーた)

【命名】(Denis & Schiffermüller, 1775)

【原記載】 Ankündung eines systematischen Werkes von den Schmetterlingen der Wienergegend: 56 (Bombyx)

【意味】[ラ]anachoreta(隠者,修道士)。

 原記載には記述なし。Emmetは幼虫が葉を綴って庵を作ることに由来するという(ESN,p.189)。

セグロシャチホコ Clostera anastomosis

【和名】セグロシャチホコ
【学名】Clostera anastomosis

(くろーすてーら あなすともーしす)

【命名】(Linnaeus, 1758)

【原記載】Systema naturae (ed. 10): 506 (Phalaena Bombyx)

【意味】[ラ] sub-(接尾辞。下に,少し); [ギ] anastomôsis(出口・開口部)。

 原記載「縦筋〔=横線〕は3本,白く,下に開いている(subanastomosantibus)」から。拙ブログ「09-06-12記事:anastomosisのこと。」参照。

 "anastomosis"の語は一般に「吻合・癒合」,植物学では「網目状葉脈」を指すが,この蛾に不適合であり,ここでは採らない。命名者はおそらくギリシア語の原意から命名していると考えられる。

 図版はHumphreys & Westwood, 1843-45, British moths and their transformations, pl. 13 から。

200529

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