シマアオカスミカメ  Mermitelocerus annulipes Reuter

カスミカメムシ科 Miridae

シマアオカスミカメ

06年6月24日,苫小牧市高丘,緑ケ丘公園。

土曜日の午後,気温は18℃くらい,薄曇り。北海道で一番いい感じの季節だ。鮮やかな緑色のカメムシを見つけた。体長は10mm弱。

特徴がはっきりしているので同定はたやすい。『カメムシ図鑑』で見当をつける。爪状部・革質部(要するに前翅あたり)の黒い縞がくっきりせずにもわっとしてるが,まず間違いない。あれこれ検索してみると黒縞には結構変異があるようだ。  他所の画像の方が見映えがいいのが少し残念。

シマアオカスミカメ

同年同日。

属名の「Mermitelocerus」は調べたけどよく分からない。

種小名は「annuli輪の/pes脚」。うーん,これも困った。脚はご覧の通りだ。『カメムシ図鑑第2巻』に載っている終齢幼虫の画像(図版71)を見ると,脚に縞がある。成虫にも微かにその痕跡が認められる。そういうことなのかなあ。

メルミテロケルス属について『カメムシ図鑑第2巻』から引用。

旧北区に固有な小規模な属で,ヨーロッパから1種,極東ユーラシアから2種が知られている。各種は緑色系の色彩を呈し,比較的大型の体と太い触角第1−2節をもっている。触角第3節は4節より短い。日本には2種が分布する。(p.249)

北寄りのあまり繁栄していないカメムシらしい。

このカメムシ,北隆館『大図鑑』では取り上げられていない。引き続き『カメムシ図鑑第2巻』から。

(…)北海道ではヨモギで見つかる。いずれの亜種についても年1化性で,卵越冬する。成虫は初夏に出現し,花によく集まるが,盛夏には姿を消す。(p.249)

北海道の盛夏なんてたかが知れているのだから,姿を消さなくてもいいのに。

今回はイネ科植物で見つけたが,本来的なホストではないようだ。

シマアオカスミカメ

同年同日。

口吻が単純な構造ではなさそう。どうなっているのだろう。それにしてもよく肥っている。

○『日本原色カメムシ図鑑』;全国農村教育協会

○日本原色カメムシ図鑑第2巻;全国農村教育協会


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